放射MTGメモ(2013/07/01)

参加者

  • 倉本圭、石渡正樹、はしもとじょーじ、高橋芳幸、高橋康人、三上峻、大西将徳

line-by-line 放射計算プログラムの検証作業(大西)

  • LBLRTM と onishi モデルの吸収断面積の計算について
    • voigt 線形の数値表現について
      • onishi モデルでは、voigt 線形のline shape を、Kuntz 1997, Ruyten 2004 により与えている
      • LBLRTM では、voigt 線形のline shapeを、Humlicek 1982 により与えている (Clough et al., 2005)
    • Humlicek 1982 と Kuntz 1997 の数値計算の違いは相対誤差　2 ×10^-6 以下(Kuntz 1997)
    • Kuntz 1997 は Humlicek 1982 のcomplex probability function の実数部分だけを効率的に計算している
    • LBLRTM の吸収断面積のline shape は Humlicek 1982 とline の裾の方で異なる
    • LBLRTM のline shape はvoigt 関数に以下の関数をかけたようなものになっている
      • y(v-v0) = a*(v-v0)^2 + 1 (但し, a = -1/D^2: D = 2500[m-1]) : CO2 以外
      • y(x= v-v0) = a*(v-v0)^4 + c*(v-v0)^2 + 1 (但し, a= 1/D^4, c= -2/D^2, D= 2500[m-1]): CO2
    • CO2 の sub-lorentzian について
      • LBLRTM では CO2 の line shape に関して、Niro et al. (2005), Lamouroux et al. (2010) が参照されている
      • 光田さんのコードでは、Winters 1964 を使用していた?
    • CO2 の sub-lorentzian については、多くの人が使っているものを実装するのがよい
    • 開発プログラムは、voigt 線型に適当な関数をかけられるようにしておく
      • CO2 の sub-lorentzian を適当に与えられる
      • LBLRTM のように line の cut off を滑らかな関数として与えることもできる
  • US standard atmosphere について
    • LBLRTM 内臓の US standard atmosphere と はしもとじょーじさんに頂いたテーブルの値が異なっていることについて
      • LBLRTM 内臓のUS standard atmosphere はmixing ratio を大気境界で与えている
      • はしもとじょーじさんに頂いたUS standard atmosphere はmixing ratio を大気層の平均で与えている
    • US standard atmosphere の放射計算は、LBLRTM 内臓のものを使用する
  • mtg 資料
  • To Do
    • US standard atmosphere での放射計算

木星大気の計算(高橋康)

  • 対流調節の計算について
    • 対流が起こっているかどうかを確認するには、温位のプロファイルを見る必要がある
  • 低温での蒸発熱について
    • 蒸発熱のテーブルと現在使っている式を比較してみる
    • クラウジウス - クラペイロンの式を使って計算することができる
  • 7/11(木) に系外惑星セミナーで発表
    • 本日のミーティングでの議論を踏まえた発表資料をメールで展開する
    • 発表資料についてコメントのある人は、メールでコメントする

タイタン大気の計算(三上)

  • 成層圏の温度プロファイルの近似式の妥当性の確認
    • 成層圏の温度プロファイルを、近似式で与えた場合と、大気の加熱率から放射平衡大気をイタレーションで決定した場合で比較
    • 大気上端のフラックスの相対誤差の比較
      • 円盤圧力が 100 [Pa]: 圏界面が低くなるほど相対誤差が大 (但し、10% 以内には収まっている)
      • 円盤圧力が 10 [Pa]: 圏界面高度に関わらず、相対誤差はとても小さい
    • 温度プロファイルの近似式に現れる、光学的厚さの係数が 3/2 の場合と、5/3 の場合でどの程度違うのか確認する
    • この近似式はもともと平衡平板を仮定したもので、三上さんの計算は平衡平板から外れた大気を計算している。平衡平板から外れても、この近似式はどの程度妥当なのか

次回の日程

  • 2013/07/17(月) 9:00- (7/15(月) は祝日のため)