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気候モデルを用いた地球温暖化の将来予測に関する研究
野沢 徹
国立環境研究所
[email protected]
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表紙
- 温暖化とは?
- 温暖化予測はどのように行っているか?
- その結果は? どの程度信頼できるか?
について解説
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1. 地球温暖化の兆候を示す観測事実
図は「気候変動監視レポート 2001」より引用.
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過去 100-1000 年の気温変化
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図は Hartmann (1994) より引用.
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さらに昔の気温変化
- 10 C くらいの振幅で変動している
- 過去になればなるほど振幅の精度は落ちる
- 変動の時間スケールはざっと 10,000 年
- 原因は
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図は IPCC, 2001a: Climate Change 2001: The Scientific Basis より引用.
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温度上昇の地理分布 (年平均気温の線形傾向)
- 赤が上昇, 青が加工
- 最近 25 年間の上昇が大きい
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図は IPCC, 2001a: Climate Change 2001: The Scientific Basis より引用.
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温度上昇の地理分布 (季節平均気温の線形傾向)
- 過去 25 年間に注目
- 冬の北半球大陸上における温度上昇が大きい
- 氷床の融解とアルベド低下にともなう温度上昇と考えられる
- 数値モデル予測では, 冬の北半球高緯度(アリューシャン, アラスカ, グリーンランド周辺)における温度低下を説明できない
- 冬の南半球の温度上昇は冬の北半球比べ小さい
- 観測の不足が大きな原因
- 海洋循環の様式の違いが原因と考えられている.
- 南極周極流とそれにともなう活発な鉛直混合により,
海洋表層に冷たい深海水が存在する(らしい)
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図は IPCC, 2001a: Climate Change 2001: The Scientific Basis より引用.
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対流圏・地表(上)と下部成層圏(下)の気温変化
- 対流圏で昇温, 下部成層圏では降温
- 下部成層圏には火山噴火にともなう昇温が見られる
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図は IPCC, 2001a: Climate Change 2001: The Scientific Basis より引用.
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海面から深さ 300 m までの海水に含まれる熱量 (J) の評価
- 南半球はほとんど赤道付近, 極付近の情報はあまり考慮されていない
- 過去に遡るほど観測点の地理的な偏りが大きくなる
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図は「気候変動監視レポート 2001」より引用.
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降水量の変化
- 年々増加しているようである
- 気温が増加すると降水も増加するか ?
- 放射冷却で冷えられる分だけ積雲が潜熱を輸送すると考えると,
全球降水量はほとんど変わらない
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図は IPCC, 2001a: Climate Change 2001: The Scientific Basis より
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降水量変化の地理分布 (積算量の線形傾向)
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図は IPCC, 2001a: Climate Change 2001: The Scientific Basis より引用.
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降水量変化の地理分布 (季節積算量の過去 100 年の線形傾向)
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図は IPCC, 2001a: Climate Change 2001: The Scientific Basis より引用.
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ヨーロッパにおける潮位変動
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図は IPCC, 2001a: Climate Change 2001: The Scientific Basis より引用.
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海氷の存在する面積の変動
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図は IPCC, 2001a: Climate Change 2001: The Scientific Basis より引用.
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モデル計算による海面上昇の計算
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図は IPCC, 2001a: Climate Change 2001: The Scientific Basis より引用.
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CO2 の経年変化 (ハワイ・マウナロア, 過去 50 年)
- 2000 年の値は 380 ppm 程度
- 気温の変化傾向とは必ずしも一致しない
- 季節変化は植物の生産活動に対応する
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CO2 の経年変化
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図は IPCC, 2001a: Climate Change 2001: The Scientific Basis より引用.
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CO2 の経年変化 (さらに昔)
- 産業革命以後 100 ppm 増加
- ボストークで観測される振幅 (氷期間氷期サイクル) は 100 ppm
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2. 温室効果の簡単な説明
図は Salby (1996) をもとに作成.
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黒体放射とプランク関数
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図は Salby (1996) より引用.
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黒体とみなした場合の太陽放射と地球放射
- 波長域はほぼ完全に分離している
- 太陽放射=短波放射
- 地球放射=長波放射
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地球の温度の求め方: 0 次元放射平衡モデル
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放射平衡温度
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大気の温室効果がない場合
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大気の温室効果がある場合
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大気の温室効果がある場合
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射出率 = 1, 大気層を増やした場合
- N が十分大きいと温度は発散するというおかしな結果になる
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図は 真鍋 (1985) より引用.
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鉛直 1 次元放射対流平衡モデル (Manabe & Strickler, 1964)
- CO2 の増加とともに, 対流圏で昇温, 成層圏で降温
- CO2 の増加とともに対流圏における放射的に外から見える高度が上昇する
(右図)
- 成層圏では CO2 射出率が増加するため温度が下降する (より冷えるようになる)
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大気の日傘効果
- 黄砂, 工場の排煙などのエアロゾルがある場合 (粒径 1 マイクロm 以下)
- 温度低下をもたらす (振幅の大きさは未知)
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エアロゾルによる放射効果
- 基本的には冷却に効く
- 雲になるとわからない
- 単位体積あたりの雲水量は変わらないと考える
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図は IPCC, 2001a: Climate Change 2001: The Scientific Basis より
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SO2 および有機・無機炭素の排出量
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気候変動の要因
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図は IPCC, 2001a: Climate Change 2001: The Scientific Basis より
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気候システムの構成要素と相互作用
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図は IPCC, 2001a: Climate Change 2001: The Scientific Basis より引用.
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地球のエネルギーバランス
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3. 排出シナリオとは?
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1961-1990 の年平均気温の変化
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人為起源物質の排出シナリオ
- 経済発展, 社会構造の変化を考慮した人為起源物質の排出予測
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図は 森田, 増井 (2000) より引用.
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排出シナリオ作成の概念図
- 経済成長と国際社会構造を軸にさまざまな排出シナリオを 4 つに分類
- 環境研では A1 シナリオ作成を行っている
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新しい排出シナリオの必要性:
IPCC(International Panel of Climate Change)
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排出シナリオのストーリーラインの例: A1, A2
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排出シナリオのストーリーラインの例: B1, B2
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図は IPCC 2001b: Climate Change 2001: Synthesis Report より引用.
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排出シナリオのストーリーラインのまとめ
- 人口, 経済, 環境調和, 国際社会の平等性, 技術革新, 国際化について,
成長の方向を示す
- 成長率などの具体的な数字はない
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図は 森田, 増井 (2000) より引用.
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ストーリーラインから定量的排出シナリオの作成
- 定量的排出シナリオの作成モデルはインターネット上で公開,
あらゆる人々からの意見を反映/反論することで,
モデルに妥当性を与える
- 本当に信頼できるかどうかはわからない
- 世界を 10 の国と地域に分けて計算
- GDP, 人口, エネルギー資源量, 生活様式指標を入力
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図は Nozawa et al. (2001) より引用.
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新しい CO2, SO2 排出シナリオ
- 排出量を直接気候モデルへ入力することはできない
- 適当な鉛直 1 次元モデルを用いて排出量から大気濃度を求める
- 1990 年代においてすでに実測とのずれがある
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4. 新しい排出シナリオに対応した温暖化実験
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CCSR/NIES 気候モデル
- 東大気候センターと国立環境研究所の共同モデル
- 標準的な大気モデル + 海面高度の変化しない海洋モデル
- 海氷の輸送は無視
- 大気モデルと海洋モデル間で熱と水のフラックスを人工的に調整
- モデルに炭素循環は考慮されていない
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大気大循環モデル
- 水蒸気量のソース・シンクの見積もりに不確定性が大きい
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海洋大循環モデル
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図は国立環境研究所 永島達也 氏より提供.
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計算手順の模式図
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結合モデルの模式図
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排出シナリオ実験を行う場合
- 大気モデルに CO2, SO2 等の大気濃度を入力として与える
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図は Nozawa et al. (2003) より引用.
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入力として与える人為起源排出量の時間変化
- CO2, CH4, N2O の時間変化はシナリオごとに異なる
- 代替フロン等は各シナリオ共通
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エアロゾル実験を行う場合
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モデルで計算されたエアロゾルの鉛直積算量
輸送計算に必要な物理量は客観解析値を与える
- (左上)硫酸エアロゾル
- (右上)炭素質エアロゾル
- (左下)海塩性エアロゾル
- (右下)砂塵性エアロゾル: 対流圏中層まで巻き上げる
現在は気候モデル内で陽に計算
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大気放射に対するエアロゾルの直接・間接効果の取り入れ方
- 雲量を計算する積雲パラメタリゼーションとは独立,
現在はつじつまがあってない
- Nm: エアロゾルの上限値 (経験的に与える)
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図は Hansen et al. (1997) より引用.
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放射強制力
- 温暖化効果を統一的に見るための指標
- 複数の要因の気候変動に対する影響を比較するため用意
- 瞬時放射強制力 (a)
- CO2 量以外の気象学的物理量は固定し,
CO2 量を変えて対流圏における放射フラックスの不釣合を計算する
- 調整放射強制力 (b)
- CO2 量と成層圏温度以外の気象学的物理量は固定し,
CO2 量を変えて対流圏における放射フラックスの不釣合を計算する
(成層圏温度は CO2 量変化にともない変動してよい)
- フィードバックなし放射強制力 (c)
- 対流圏温度減率は固定し,
CO2 量を変えて対流圏における放射フラックスの不釣合を計算する
- フィードバックあり放射強制力 (d)
- CO2 量を変えて対流圏における放射フラックスの不釣合を計算する
(全ての気象学的物理量の変動を許容)
IPCC は (b) を推奨, GCM ではほとんど (a) で評価.
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図は IPCC, 2001a: Climate Change 2001: The Scientific Basis より引用.
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IPCC による放射強制力 (b) 一覧
- 温室効果ガスの寄与が大きい
- 誤差範囲はあまり信用できない (誤差の評価がものによって異なる)
- 最下段の「科学的信用度(Level of Scientific Understanding)」が
信頼性をおおまかに示している
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CCSR/NIES 気候モデルによる放射強制力 (a)
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図は Nozawa et al., (2003) より引用.
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CCSR/NIES 気候モデルによる放射強制力 (a)
- 計算手順は
- 普通に CO2 を暫増させて計算
- ある年のデータをもとに 1900 年の CO2 量を与えて放射フラックスを計算,
CO2 暫増実験の放射フラックスとの差を放射強制力として評価
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左図は Nozawa et al. (2003),
右図は IPCC, 2001b: Climate Change 2001: Synthesis Report より引用.
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さまざまな排出シナリオにおける気温の変化
- (左) CCSR/NIES モデルの計算結果
- (右) 他のモデルとの比較
- CCSR/NIES が最も高い
- MRI (気象研) が最も低い
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雲水量の東西平均分布 (標準実験)
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雲水量の東西平均分布 (CO2 倍増実験)
- 低緯度の雲水量が高緯度へ移動, 正味のアルベドが減少して気温が上昇する.
- 積雲対流の活発化と亜熱帯の乾燥化が原因 ?
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さまざまなシナリオを与えた場合の年平均気温の変動 (2021-2050)
- どのシナリオでも高緯度で温度が上昇する
- エアロゾルを増加させても基本パターンはあまり変わらない
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さまざまなシナリオを与えた場合の年平均気温の変動 (2071-2100)
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図は IPCC, 2001a: Climate Change 2001: The Scientific Basis より引用.
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2 次元軸対象気候モデルを用いた温暖化予測
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図は IPCC, 2001a: Climate Change 2001 より
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さまざまな排出シナリオにおける降水量の変化
- 積雲による降水は増加, 大規模凝結降水(低気圧にともなう雨)は減少
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さまざまなシナリオを与えた場合の年平均降水量の変動 (2071-2100)
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さまざまなシナリオを与えた場合の海面上昇 (全球平均)
- 海水温度の上昇から体積膨張を計算し診断的に評価
- 氷床の融解の寄与は考慮されていない
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さまざまなシナリオを与えた場合の海面上昇
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図は IPCC, 2001a: Climate Change 2001: The Scientific Basis より引用.
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2 次元軸対象気候モデルを用いた平均海面上昇予測
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平均海面上昇予測のモデル比較
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図は IPCC, 2001a: Climate Change 2001: The Scientific Basis より引用.
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海洋の循環
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5. 温暖化研究の総合化に向けて
図は 江守正多ら (2002, 2003) より
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温暖化の影響評価
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6. 気候モデルの不確実性
図は IPCC, 2001a: Climate Change 2001: The Scientific Basis より引用.
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温暖化予測実験結果の相互比較 (気温)
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図は IPCC, 2001a: Climate Change 2001: The Scientific Basis より引用.
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温暖化予測実験結果の相互比較 (降水量)
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CO2 を 1% ずつ増加させた温暖化実験
- 気温の上昇とともに降水量も増加する
- バージョンの異なる同じモデルで結果が異なる
- 放射スキームの変更したバージョン 2a では温度上昇が大きい
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中緯度の鉛直温度分布を与えた対流圏上端の正味長波フラックス
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中緯度の鉛直温度分布を与えた対流圏上端の正味長波フラックス
- CO2 倍増実験
- バージョン 2a の放射スキーム単体の性能はよい
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バージョン 2a の放射モデルによる雲放射強制力の鉛直分布
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放射フラックスのモデルバージョン間, 衛星観測との比較
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雲水量の東西平均分布 (CO2 倍増実験)
- 低緯度の雲水量が高緯度へ移動, 正味のアルベドが減少して気温が上昇する.
- 積雲対流の活発化と亜熱帯の乾燥化が原因 ?
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図は IPCC, 2001a: Climate Change 2001: The Scientific Basis より引用.
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過去の気候変動の再現実験 (年平均気温)
- ハドレーセンターモデル
- 自然変動による変動も CO2 暫増時による変動もそれなりに再現
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参考文献
- 江守正多, 高橋潔, 野沢徹, 神沢博, 2002:
地球温暖化の影響対策研究から見た気候モデル研究,
日本気象学会2002年度春季大会講演予稿集, A106, 28.
- 江守正多 他, 2003:
地球温暖化の影響対策研究から見た気候モデル研究, 天気, 印刷中.
- Hansen et al., 1997:
Radiative forcing and climate response.
J. Geophsy. Res., 102, 6831-6864.
- Hartmann, 1994:
Global Physical Climatology. Academic Press, pp. 411.
- IPCC, 2001a:
Climate Change 2001: The Scientific Basis.
Cambridge Univ. Press, pp.881.
- IPCC, 2001b:
Climate Change 2001: Synthesis Report. Cambridge Univ.
Press, pp.397.
- 気象庁(編), 2002: 気候変動監視レポート2001, 財務省印刷局発行, pp. 78.
- Manabe, S., and Strickler, R. F., 1964: Thermal equilibrium of the
atmosphere with a convective adjustment.
J. Atmos. Sci. 21, 361-385.
- 真鍋淑郎, 1985: 二酸化炭素と気候変化, 科学, 55, 84-92.
- 森田恒幸, 増井利彦, 2000:
気候変化予測のための排出シナリオ,
日本気象学会 2000 年春季大会シンポジウム講演資料(私信).
- 森田恒幸, 増井利彦, 2000:
気候変化予測のための排出シナリオ, 天気, 47, 696-701.
- Nozawa et al., 2001:
Projections of future climate change in the 21st century
simulated by the CCSR/NIES CGCM under the IPCC SRES scenarios, In
Present and Future of Modeling Global Environmental Change:
Toward Integrated Modeling, Eds., T. Matsuno and H. Kida,
TERRAPUB, pp. 15-28.
- Nozawa et al., 2003: Transient
climate change simulations in the 21st century with the CCSR/NIES
CGCM under a new set of IPCC scenarios, CGER'S Supercomputer
Monograph Report, 8, in press.
- Salby, 1996:
Fundamentals of Atmospheric Physics, Academic Press, pp. 627.
2003-04-22 Odaka Masatsugu
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