解像度をあげた実験 (T31L32) で 1 年分の計算が終った.
KHM スキームで計算したダストフラックスを, Ls で 30 度ごとに平均した図を見てみた. これまでにやっていた T21 の計算結果と T31 の結果を 比較した.
パターンとしてはほぼ同じ. ダストフラックスの大きさは増える 傾向にある.
T21 とくらべて一部の領域で値が大きくなっている. 南緯60 度の(経度 50 度)ところの斜面で値が大きくなっている.
南半球の夏 (Ls=240-270) で 経度 280 度, 北緯60 度付近で値が大きくなっている.
計算速度に関して SX9 で 1 年計算で 2 週間かかっている. 並列計算もうまくいってないのでサポートチームに問い合わせ中.
図で読み取った感じでは, 計算にかかる時間はだいたい 20/16 倍になっている.
総量も増えたかどうかについても確認する予定.
今後の予定 dust devil lifting parametarization を入れる.
各種論文も横目で眺めながら作業を進めるようにする予定.
ちなみに, 重力沈降過程に関しては, 一番簡単なやつ (0 次の式) は高橋が作っている. しかし, まだよくテストをしていない段階.
境界層の表現のチェックを行った.
火星で巻き上がったダストが境界層の中でどう混ざって自由大気に 入っていくかという問題を気にしていたので, 境界層の振舞いのチェックをおこなった. (この話はいずれdcmodel meeting で話をするかもしれない)
やったことは, 火星境界層の設定を用いた dcpam の 1 次元計算.
L300 (解像度が 50 m 以下になるようにしたはず) 緯度 30 度条件 , 10m/sec の地衡流がある状況. 2 火星日の結果を見る. sigma=0.3 までを見る. 境界層が発達したとき sigma=0.5 まで DelTimeValue=5
L32 の場合(高橋, 荻原がこれまでに使ってきた設定) 温位で見ると混ざっている高度範囲はそんなに違うようには見えないけど 東西風と南北風は混合が起こる高さが半分位になってしまっている.
L36 にして, 乱流スキームなどを改良, 乾燥対流調節を入れた計算 (これは境界層を重視した鉛直レベル を使っている)をやってみると風の場において混合が起こる高さが L300 のものに近いものになった. DelTimeValue=370 sec
よって, 火星で物を流す計算をする場合には, 鉛直レベルのとりかたに 注意する必要がある.
温位に関しては, 乾燥対流調節が効いている. パリのグループは運動量も混ぜているので運動量も混ぜることにした.
乾燥対流調節無しの場合, L36 の場合, DelTimeValue=370 s にすると, 顕熱フラックスが振動してしまう.
今までの L32 と L36 の計算に関して, 顕熱フラックスと摩擦速度を比較 顕熱フラックスは, これまでの L32 だと2 割くらい過小評価, L300 にくらべると L36 も過大評価.
摩擦速度については, L32 だと, 昼間は過小評価, 夜は過大評価になっていた.