DCPAM 作業ミーティング記録 (2016/06/23)
参加者
- 北大
- 石渡, 荻原, 成田
- 神戸大
- 高橋(芳)
荻原からの報告
- 現実的な地形を用いた場合においてダスト巻き上げフラックスは
どのように決まっているか, という問題の考察
- 前回までに結果を眺めてきて, 持っていたイメージは 地表面風速もダスト巻き上げフラックスも大雑把には熱潮汐で決まっていて, それが地形によってゆがめられる, というものだった.
今回は, 熱潮汐波によってもたらされる地表面風速変動がどの程度効くか? という問題を考えてみた.
やったことは, 現実的な地形を与えた場合について, Ls=270 における地表面風速とダスト巻き上げフラックスの重ね書きをした 動画を眺める, というもの.
その結果, 現実的な地形を入れた場合でも, 地形無しの場合も ダスト巻き上げフラックスのピーク位置と地表面風速のピークの位置は 綺麗に対応しているように見えることが再確認された.
地形無しにした場合では, ダスト巻き上げフラックス及び 地表面風速のピークは南緯 30 度でピークになる. 現実的な地形を用いた場合では, かなり複雑な分布になる.
大雑把に考えるために, ダスト巻き上げフラックスの 差をとった図を作ってみた. どういう差かというと, 観測された地形を与えた場合の結果から 地形を無しにした場合の結果を引いたもの.
その差の絶対値と地形無しの場合で得られたダスト巻き上げフラックスの大きさは だいたい同じくらいになっているように見える. 平面分布図を眺めた印象は, 非常にいいかげんな言い方をすれば, 熱潮汐波による寄与と地形によってゆがめられる寄与はだいたい同じ.
ただし, 数字にあたってみる必要があるので いろいろ線グラフ作ってみるべし.
- 経度平均した図
- とある緯度帯で平均した図
また, ダスト巻き上げフラックスの現実的な地形を与えた場合と 地形無しの場合の差の水平分布図を見ると, 太陽直下点の西側は正で東側は負になっている. つまり, 現実的な地形を入れた場合では午前にはダストフラックスが 大きくなって, 午後にはダストフラックスが小さくなる.
これについては今後も検討を続ける予定.
- TODO
- 火星の現実地形を用いた場合について, 太陽直下点がもっと赤道に近い場合 (南北対称になっていると思われる場合) についても調査を行なう
- 風応力巻き上げスキームによって計算される ダストフラックスを決める要因に関する 考察についてもまとめる.
次回日程
2016 年 07 月 05 日 (火) 10:00 TV 会議にて. 接続希望は [email protected] (荻原) まで.