放射MTGメモ(2013/06/03)

参加者

  • 倉本圭、石渡正樹、はしもとじょーじ、高橋芳幸、濱野景子、三上峻、大西将徳

line-by-line 放射計算プログラムの検証作業(大西)

  • 前回報告した光学的厚さの計算は、大気層の分子数の計算に誤りがあった
  • US standard atmosphere で,分子ごとの光学的厚さを再計算
    • 計算条件
      • US standard atmosphereの最下層
      • 線吸収はUS standard atmosphere で体積混合比が与えられている7分子(H2O, CO2, O3, N2O, CO, CH4, O2 (窒素は計算していない))
      • 連続吸収は無し
      • 波数範囲: 1600 - 1800 [cm-1] (波数分解能: 0.01 [cm-1])
    • 入力data
      • 吸収線データ: HITRAN 2008(分子ごとのデータファイル)
      • US standard atmosphereの最下層: LBLRTM の中の45層のデータより
    • 3 つの計算を実行、比較
      • LBLRTM: LBLRTM で光学的厚さを計算
      • onishi mod LBLRTM: 大気層を代表する温度, 圧力, 体積混合比から大気層の吸収係数を計算し、光学的厚さを計算(温度, 圧力, 体積混合比, 大気層中の分子の数はLBLRTMの計算結果を使用)
      • onishi original: 大気層の上端下端の吸収係数を計算したのちに、大気層の吸収係数を計算し、光学的厚さを計算
    • 計算結果
      • 相対誤差の大きさは、以前、1本の吸収線で検証したときと同程度(但し、吸収線の中心付近しか検証していなかった)
        • 1本の吸収線で検証したときには、吸収線の中心から高波数側、低波数側で相対誤差の符号が反転していたが、今回の計算では常にonishi計算が大きい
      • 光学的厚さを波数に対して積分した値の比較
        • onishi mod LBLRTM と LBLRTM の相対誤差: 0.002 程度
        • onishi original と LBLRTM の相対誤差: 0.02 程度
          • 但し CO のみ相対誤差の大きさは、0.08 と大きい
          • 吸収線の数が極端に少ないことが要因と考えられる
    • onishi 計算とLBLRTM の計算で何がどう違うのか
      • 光学的厚さの計算は、吸収係数の計算、大気層中の分子の数の計算のふたつの量の掛け合わせ
      • 上記の量の整理をする
  • mtg 資料
  • To Do
    • 計算の定式化
    • LBLRTM と onishi計算で、吸収係数、分子の数の計算結果についてまとめる
    • US standard atmosphere 全層で光学的厚さの計算

タイタン大気の計算(三上)

  • 放射対流平衡計算の収束について
    • これまでの計算では、圏界面が高い場合に、大気加熱が小さく、うまく放射対流平衡構造に収束しない問題があった
    • 成層圏温度近似を導入すると、今まで計算できなかったものが計算できるようになった
    • しかし、今まで計算できたパラメタ条件のものでは、成層圏温度近似ではうまく計算できない
  • 圏界面付近の計算精度について
    • 天頂角方向の角度の刻みを細かくすることで、精度を向上させることを検討
  • 中心に厚く光っているものがある時のフラックス計算
    • フラックスの角度依存性が、階段関数がなまったような形をしており、計算が難しい
    • 良い計算方法があったら、アイデア募集中

Hawaii での研究会に向けて

  • 数値計算のテーマは2つの柱
    • 地球型惑星 - 木星型惑星
    • スペクトルの計算 - 形成進化の計算
  • 研究(発表)の方向性
    • 濱野: 地球型惑星, 形成進化の計算
    • 大西: 地球型惑星, スペクトルの計算 (マグマオーシャン地球型惑星を見たら、それがどのようなスペクトルを持つか)
    • 高橋(康): 木星型惑星, スペクトルの計算
  • 濱野さんの計算と大西コードの納期について
    • 現在濱野さんの使用コードは abe model
    • 吸収線データは HITEMP の実装を目指す
    • 吸収係数、k-分布法の計算は、公開コードを使ってまず計算する
    • 大西コードでk-分布が計算でき次第、そちらのプログラムを使用する

次回の日程

  • 2013/06/10(月) 9:00-