放射MTGメモ(2015/11/24)

参加者

  • 倉本圭, 石渡雅樹, はしもとじょーじ, 高橋康人, 齊藤大晶, 大西将徳

系外惑星放射計算プログラムの開発 (大西)

  • 水蒸気混合大気の line-by-line 放射計算で確認された低温成層圏・高温成層圏の物理を理解するために, Toy Model による圏界面の加熱率の考察を行った.
    • Toy Model
      • 対流圏は飽和.
      • 成層圏は等温.
      • 成層圏の水蒸気体積混合比は圏界面に一致.
      • 圏界面に下層から入射するフラックスは, 圏界面より下層の光学的厚さ 1/beta (beta: diffusivity factor = 5/3) の層からやってくると仮定.
      • 散乱なし.
      • 吸収断面積は line-by-line 放射計算の計算結果に基づいて与える.
      • 圏界面に入射する太陽光放射による直達光により, 圏界面での太陽光による加熱率を計算.
      • 圏界面に入射する上下からの惑星放射と, 圏界面が射出する惑星放射により圏界面での惑星放射による正味冷却率を計算.
    • 結果
      • 低温成層圏は, 大気の射出による冷却と対流圏からの放射による加熱が大きな寄与. 両者のバランスで実現する.
      • 低温成層圏は, どのような条件(地表面温度, 背景大気量) でも実現する.
      • 低温成層圏は, 太陽光による加熱がなくとも解が存在する.
      • 高温成層圏は, 大気の射出による冷却と上下からの惑星放射による加熱が大きな寄与.
      • 高温成層圏は, 条件により存在する場合と存在しない場合がある.
      • 高温成層圏は, 太陽光による加熱がないと高温成層圏は実現しない(?)
    • 議論, コメントなど.
      • Toy Model はどこを近似しているのか?
        • line-by-line 放射計算の定式化から Toy Model までもっていって, どこを近似しているか確認する.
        • 依存するパラメタが見えやすいように定式化する.
      • line-by-line 放射計算による冷却率と Toy Model による冷却率が 2 倍程度違うのはなぜか.
        • Toy Model の冷却率の評価の部分で, diffusivity factor が抜けているのではないか?
      • 惑星放射による冷却率が極大となる圏界面温度の地表面温度依存性の物理は?
        • 背景大気 1 bar の場合, 地表面温度が高い方が, 低い圏界面温度で冷却率は極大となる.
        • 高温成層圏がどのような条件で存在するのかを理解するためには, 惑星放射による冷却率の地表面温度依存性を理解することが鍵.
        • 冷却率の極大は, 成層圏からの下向き放射による圏界面加熱率の増大と対応していそうである.
          • 下向き放射による圏界面加熱率の違いは, 圏界面の背景圧力 (吸収断面積の圧力ブロードニング) が関係しているのではないか.
        • 対流圏からの上向き放射による圏界面下熱率の地表面温度依存性は, 対流圏の温度勾配が関係していそうである.
      • 加熱冷却率のグラフの縦軸の単位 (何あたりの量なのか) を確認する.
    • To Do
      • Toy Model の定式化確認.
      • 惑星放射による冷却率が極大となる圏界面温度の地表面温度依存性の物理を明らかにする.
  • mtg 資料

系外惑星研究会

  • Marshall 先生が, 3/9 - 11 に来日されるので, それに合わせて行うがよいだろう.
  • 3/9 (水) は三鷹, 3/10 (木), 11 (金) は神戸の予定.
  • 日本語がよければ, 3/12(土) か.

次回の日程

  • 11/30 (月) 9:00-