放射MTGメモ(2016/09/27)

参加者

  • 倉本圭, 石渡正樹, はしもとじょーじ, 高橋康人, 大西将徳

系外惑星放射計算プログラムの開発 (大西)

  • 放射源関数法モジュールを用いた場合の問題と解決
    • 放射源関数法, Two-Stream 法での放射収支の比較.
      • 条件
        • 2 層モデル (上層の温度: 0 K. ), 一次散乱アルベドをパラメタ.
      • 結果
        • 放射源関数法では, 一次散乱アルベドが大きくなると物理的におかしな結果を招く.
          • 放射収支が加熱になるべき系で, 冷却になる.
          • 天頂角 cos a が小さい領域での放射源関数の値は妥当なのか?
      • コメント, 議論など
        • 天頂角ごとに放射収支を見れば, 冷却になることもあり得る.
          • 他の角度で入射することもある.
        • 上層の上向き放射が, cos a が小さい時に小さくなるのはなぜか.
          • 下層に温度勾配があるため, cos a が小さい場合は, 上空 (温度が低い) からの放射が見えるため.
        • 上層の下向き放射が, cos a が小さい時に大きくなるのはなぜか?
          • 上層からの下向き放射は散乱光 (等方散乱を仮定) なので, 天頂角依存性はないはずではないか.
          • 散乱光の計算に問題があるのではないか.
        • Toon et al. (1989) 放射源関数法の式 (55, 56) が論文の通りに導くことができない.
          • この部分に誤りがある可能性がある.
          • 独自に導いた式で, フラックスの計算をして確認する.
    • Toon et al. (1989) の確認
      • Source Function 法は、赤外では吸収が支配的なので、赤外領域で Two-Stream 法より優れている、と書かれている.
        • -> 散乱が強くなると正確に計算できないのではないか.
      • Source Function 法がエネルギー保存することは、解析的に示せる、と書かれている.
        • 大西は解析的に確認できていない.
  • mtg 資料

木星大気モデルの開発 (高橋康)

  • 日射の放射計算
    • アルベドスペクトルの解析
      • 大気成分 on/off による変化
        • モデルでの可視の特徴は H2O が原因
        • これまでは NH3 cloud だと思っていた.
      • 観測では CH4 が見えている.
      • -> 短波長での CH4 吸収モデルの導入が必要.
    • 仮想ヘイズ層挿入による変化
      • ヘイズが多くなると H2O の特徴は弱まるが, H2O の寄与は残っている.
        • 観測では, H2O の特徴はほぼ見えない.
    • 結論
      • 可視の CH4 を導入しなければ, 可視放射計算はもとより, 成層圏・対流圏ヘイズの見積もりも困難
  • To Do
    • 可視 CH4 吸収モデルの導入
      • Karkoschka Tomasko 2010
        • 室内実験、観測を組み合わせた CH4 吸収モデル
        • データは公開されているが幾つか問題がある
          • HITRAN などとは異なるデータ形式
          • 画像データで読み取り困難
        • P.Irwin の個人ウェブページ上に, KT2010 を用いて計算されたとする吸収係数データがあるようだ.
          • データの物理量が何かわからない.
      • 方針
        • KT2010 を導入したい (Irwin ではなく).
        • 導入の仕方を検討.
    • Raman 散乱・ヘイズモデル
      • CH4 吸収を導入後に.
  • mtg 資料

次回の日程

  • 10/5 (水) 9:00-