放射MTGメモ(2016/12/21)

参加者

  • 倉本圭, はしもとじょーじ, 高橋康人, 齊藤大晶, 大西将徳

系外惑星放射計算プログラムの開発 (大西)

  • 金星モデル開発
    • 二方向近似モデルの透過率について
      • 前回 mtg で検討した二方向近似モデルと Toon et al. (1989) の二方向近似モデルの関係を考察した.
      • 両者の違いは, 天頂角依存性を持った放射場を考えているかどうかによる.
        • diffusivity factor を考慮することに対応
      • Toon et al. (1989) の二方向近似モデル (半球平面近似) の放射伝達式による透過率の解析解と数値計算結果は一致.
      • DCRTM では, 半球平均近似を用いて放射源関数と放射場が整合的になるように放射強度を計算しており, 透過率は前述の2つのモデルの間になる.
    • 鉛直 1 層あたりの光学的厚さが大きくなった場合のフラックス計算
      • 1 層あたりの光学的厚さが大きくなると正しくフラックスが計算できない.
        • 大気層を細かく分割するとある値に収束する.
      • 正しく計算できなくなる条件は, 光学的厚さだけでなく, 一次散乱アルベドにもよる
      • 必要なだけ分割してフラックスを計算するようにする.
      • 一次散乱アルベドが大きくて, 光学的に厚い場合には計算コストが大きくなることが懸念
        • 解析解からフラックスを求めることも考えられる.
    • 雲計算の導入
      • 雲を含んだ放射計算に必要な, 光学物理量を計算するコードを実装中.
      • 濃硫酸の複素屈折率の出典については, 濱野さんに確認をお願いした.
  • mtg 資料

木星大気モデルの開発 (高橋康)

  • Geometric albedo 計算のための Two-Stream Surce Function 法による Short Wave 計算方法の模索
    • Geometric albedo を計算するために Two-Stream 法のフラックスを拡散光の放射強度として導入しようとしている.
      • Long Wave 計算では, 半球平均近似の前提の下で放射強度とフラックスの関係式を簡単に与えることができる
      • Short Wave 計算 (Eddington 近似) ではどうすればいいのか悩んでいる.
    • 定式化について悩んでいる.
      • Toon 1989 には Short Wave 計算については書かれていない
      • Meador and Weaver 1980 では Eddington 近似を用いた Two-Stream 法の記述はあるが, それを Two-Stream Source Function 法として導入する方法は記述されていない
      • Davies 1990 (?) では似たような方法が使われているようだが、定式化の条件がまだよく分かっていない
      • コロラド大学の放射伝達講義の資料では Eddington second approximation を用いろと記述されているが, 関係が分からない.
    • 定式化の方針
      • Eddington 近似による二流近似解から, 放射強度の角度依存性を求められる.
        • 上向き下向きフラックスを足し算, 引き算すれば, 放射強度の 2 つの成分が求められる.
      • 上記で求めた放射強度を放射源関数として放射場を計算する.
  • 雲光学計算
    • 粒径分布を与えた雲による opacity ができるようになった.
    • 単一粒径分布の場合との比較
      • 雲の質量密度を固定して比較
      • 粒径分布を与えた方がアルベドが若干小さくなる
        • ただし, 波数範囲による
    • 議論, コメント, 確認事項など
      • 粒子一個あたりの平均の消散断面積
        • 単位 [m2]
      • 光学物理量の波数方向の内挿の仕方
        • Mie 理論計算は重たいので, 1 cm-1 刻みで計算してテーブル化している.
        • 任意の波数に対応する物理量は, 内挿して求める
          • 消散係数は semi-log
          • 一次散乱アルベド、非等方因子は線型内挿
      • 光学物理量の平均の仕方
        • 消散断面積は数の比で平均
        • 一次散乱アルベドの平均は消散断面積の重み付けをしなければならない
          • コードの中身確認する
      • 粒径分布の与え方の根拠
        • 先行研究のあたいからなんとなく与えている
          • 整理する
        • 粒径が大きくなると Mie 理論計算が重くなる
      • NH4SH の消散断面積スペクトル
        • 粒径が 3 ミクロンなのに, 消散断面積のピークが, 30 ミクロン付近にある.
          • 確認する
  • mtg 資料

DCRTM gallery

  • 齊藤さんが新しいコンテンツ導入中
    • 黒体放射スペクトルとウィーンの変位則に関するもの
    • データの整理中
    • 現状データはテキストなので, netcdf にするプログラムを置く (大西)

次回の日程

  • 12/28 (水) 9:00-