放射MTGメモ(2016/12/28)

参加者

  • 倉本圭, 石渡正樹, はしもとじょーじ, 高橋康人, 齊藤大晶, 大西将徳

系外惑星放射計算プログラムの開発 (大西)

  • 金星モデル開発
    • 放射計算
      • 放射場が収束するまで、大気1層の光学的厚さが小さくなるように区切って放射計算を行うプログラムを実装中.
        • 初期に与えたプロファイルの1層ごとに、2分割することを繰り返して収束する分割数を計算し, 全体の分割数を得る.
        • 境界条件の与え方で悩んでいる.
      • 議論など
        • 1 層ごとに, 透過率, 反射率, 上下からでてくる放射が収束するようになればよい.
          • 境界から入射する放射や, 考えている層の外の地表面アルベドは, 大気層の光学特性を考える上では必要ない.
        • 光学的厚さも収束するような計算が必要ではないか?
          • 濃度勾配がある場合には, 光学的厚さも細かくサブグリッドを切って計算する必要があるだろう.
          • 雲の境界などもその例 (雲の境界は濃度勾配大きい)
    • 二方向近似モデルと DCRTM 放射伝達計算
      • DCRTM の放射伝達計算結果(半球平均近似の場合)と二方向近似モデルの diffusivity factor beta の関係を考察した.
        • 光学的に薄い時には, beta = 2 に近く, 光学的に厚くなると, beta = 1 に近づく.
        • 一次散乱アルベドが大きくなる効果は, beta が大きくなることに対応している.
          • SSA=0: 光学的に薄い時には, beta = 2 に近い. 光学的に厚くなると beta = 1 に近づく.
          • SSA=0.99: 光学的に薄い時には beta = 2 に近い. 光学的に厚くなると beta = 5/3 に近づく.
      • 議論, コメントなど
        • SSA = 0 の時に, 光学的厚さによって, beta の値が異なるものに対応するのは正しいのか?
          • SSA = 0 の時は解析的に解けるので, その解析解を使って検討したらどうか.
        • 等方散乱の場合の beta は 3/2 でよいか?
          • Toon et al. (1989) の半球平均近似は beta = 2 に対応するが, beta = 3/2 との関係整理する.
    • 雲計算の導入
      • 濃硫酸の複素屈折率の出典
        • 濱野さんに東大図書館で探してもらったが、東大には所蔵がない.
        • 国会図書館の関西館にありそう(by 濱野さん)
  • 水蒸気大気の圏界面問題
    • フラックスを計算する問題を解決しないと, 計算ができない.
    • 課題を整理する
  • mtg 資料

木星大気モデルの開発 (高橋康)

  • Two-Stream Source Function 法による Short Wave 計算
    • 定式化を見直して再計算
      • 拡散光の放射源関数に、F_up, F_down を用いて表現した I(mu) を代入
    • 計算結果
      • Two-Stream 法によるものと大気上端の上向き放射で 1 [W m-2] 程度異なる
      • 以前の計算結果 (散乱項の散乱には半球平均近似を用い, 他の部分は Eddington 近似したもの) と近い.
    • 議論, コメントなど
      • 2 pi ずれているようだが, これはなにか?
        • F の定義の違いによる (方位角積分をどう扱うか)
      • Two-Steam 法とのずれについて
        • 近似法が違うので, flux の値が Two-Stream の場合と異なるのは当然.
        • Geometric albedo を計算してみる
  • 雲粒径分布計算の導入
    • 同じ大気層での単一粒径計算との比較
      • 大気層の雲質量密度を与えた計算を行った
    • NH4SH の消散断面積スペクトル
      • Mie 散乱で考えると不自然な形をしているように見える.
      • NH4SH の複素屈折率データ不足の影響 ?
        • NH4SH の複素屈折率データは 1300-4000 [cm-1] の値しかなく, その外側は境界の値をそのまま使っていた.
        • 複素屈折率の値を変えると, 光学特性も若干変わる
        • NH4SH の複素屈折率データが限られた波数でしかないことへの対処方法
          • 0 にする or 外挿する?
          • 実験スペクトルデータから読み取る?
      • NH4SH の屈折率の問題だとしても, 不自然な形は説明できないのでは?
  • 粒径文献根拠のまとめ作業
    • 幾つかの研究から Nominal な粒径を設定している
    • サイズ分布の Nominal 値はないのか?
  • mtg 資料

次回の日程

  • 2017/01/05 (木) 13:30-