放射MTGメモ(2017/02/01)
参加者
- 倉本圭, はしもとじょーじ, 高橋康人, 大西将徳
系外惑星放射計算プログラムの開発 (大西)
- 雲計算の導入
- 金星雲の光学物理量を計算するコードの実装完了.
- 放射計算(放射源関数と放射場が整合的になるように計算する放射伝達計算)
- 経緯
- Toon et al. (1989) の放射源関数法では、光学的に薄く、散乱の大きい大気で加熱率が正しく計算できない場合がある.
- 放射源関数と、放射場が整合的でないことが原因.
- 放射源関数と、放射場が整合的になるようにイタレーション計算することにより上記を解決した.
- イタレーション計算を用いた放射伝達計算にて金星プロファイルを計算したところ、高波数域で二方向近似モデルの解析解と比べて大きな透過率が計算された.
- 高波数域:一次散乱アルベドが大きい.
- 二方向近似モデルの解析解に比べて 1 桁程度大きな透過率が計算された.
- イタレーション計算による放射伝達計算では、1層の光学的厚さが大きいと放射が正しく計算できない.
- 1 層を細かくしていくと, 放射場が収束していく.
- 1 層ごとに分割数を計算し, 全層同時に放射伝達計算をするのは計算コストが大きすぎる.
- Toon et al. (1989) の放射源関数法では、光学的に薄く、散乱の大きい大気で加熱率が正しく計算できない場合がある.
- Toon の方法, イタレーションモデルの比較
- 金星大気プロファイルで、Toon の方法、イタレーションモデルで放射伝達計算を比較
- イタレーションモデルは、大気1層を1、2、4分割して計算
- Toon による放射場は、二方向近似モデルによる透過率と整合的
- 散乱が強い波数帯 (30000 cm-1) で、Toon とイタレーション法で加熱率の符号が異なる.
- 問題の整理, 解決法について
- ミーティング後にはしもと, 大西で議論する.
- 経緯
- mtg 資料
木星大気モデルの開発 (高橋康)
- Geometric albedo 計算
- コード修正
- 方位各積分を 2 回キャンセルしていた
- Lambert sphere モデル
- 放射計算結果を用いずに日射等方散乱を仮定して Geometric Albedo (GA) を直接計算
- 分割数 = 8 だと GA = 0.531, 分割数 = 16 だと GA = 0.594 (@25000cm-1)
- 解析解 GA = 2/3 とのズレの原因は?
- 天頂角の刻み幅を小さくする
- 現状では球帯毎にある天頂角での放射強度を一様に持つと仮定している
- Rayleigh 散乱モデル
- 吸収無し, 雲無し, Rayleigh 散乱の opacity * 10000 の大気での放射計算結果を用いて GA 計算
- 分割数 = 8 だと GA = 0.548, 分割数 = 16 だと GA = 0.622 (@25000cm-1)
- 散乱強度はほぼ完全に等方的かつエネルギー収支もバランスしている
- ほぼ lanbert sphere と同じ結果になっている
- ただし散乱強度の分布は lambert sphere とは異なっている
- 計算・解析の仕方に間違いがあるのでは?
- 議論, コメントなど
- 分割数による GA の変化について
- 現状の計算方法だと, geometric albedo が小さくなるのは自明.
- 球帯の積分は, 台形公式を使う
- 日射天頂角 = 0 での放射強度の計算をどうするか?
- ガウス求積のアイデアに従うのであれば, 重み付けも従ったらどうか.
- Lambert sphere モデルと Rayleigh 散乱モデルの比較について
- Rayleigh 散乱モデルによる大気上端の収支と, Lambert モデルと Rayleigh 散乱モデルの比の議論は, 計算・解析の仕方に間違いがあるのではないか?
- Rayleigh 散乱モデルの大気上端での放射収支について, 大気上端での太陽光による下向きフラックスはどうなっているのか?
- 分割数による GA の変化について
- コード修正
- mtg 資料
次回の日程
- 2017/02/08 (水) 15:00-