放射MTGメモ(2017/02/15)
参加者
- 倉本圭, はしもとじょーじ, 高橋康人, 大西将徳
系外惑星放射計算プログラムの開発 (大西)
- ハイブリッド法による放射計算
- 一次散乱のある閾値を境に, Source Function 法 (SSA 小), Two-Stream 法 (SSA 大) を用いた放射伝達コードを実装した.
- テスト計算の結果(ハイブリッド計算結果の特徴)
- OLR はSource Function 法のものに近い (下層のフラックスで OLR が決まる)
- 上空の加熱率は, Two-Stream 法のものに近い
- 両スキームのつなぎ目で加熱率のとびが生じてしまう.
- 議論, コメントなど
- Source Function 法で, 明らかに不自然な加熱率が計算されるプロファイルで計算してみる.
- 今回のテストプロファイルの吸収係数について確認する.
- 加熱率に不自然なとびがある.
- flux は Source Function 法を用い, 加熱率は, Source Function 法と Two-Stream 法の比を Two-Stream 法による加熱率にかけたものでうまくいかないだろうか.
- 光学的に厚いところがどうなるかが問題.
- 波数ごとの加熱率にとびが生じていても, 積分すればなまされて問題ないかもしれない.
- 対流圏界面の温度を決めたい場合, 加熱率のとびが圏界面付近に来なければ問題ないのではないか.
- Source Function 法と Two-Stream 法を切り替える閾値はどのようにしたらよいか.
- 金星大気プロファイルでの高波数での透過率
- Toon et al. (1989) の Source Function 法を用いた場合, 二流近モデルの解析解(diffusivity factor =5/3) に近い.
- Toon et al. (1989) の Two-Stream 法を用いた場合, 二流近モデルの解析解(diffusivity factor = 2) とほぼ一致することを確認した.
- Toon et al. (1989) の Two-Stream 法は, diffusivity factor = 2 の二流近モデルに対応する.
- mtg 資料
木星大気モデルの開発 (高橋康)
- 現状の整理
- 木星大気での, 日射・熱放射の放射伝達モデル開発を進めている.
- 現行モデルでは, 日射収支・スペクトルの特徴が観測から逸脱しており, 下記のものを実装した.
- CH4, NH3 吸収線の圧力依存性の導入
- 雲粒径分布の導入
- Geometric albedo の計算
- 今後の方針
- 可視スペクトルによる日射吸収物質の評価
- Bond albedo および Geometric albedo スペクトルによる制約を満たすように日射吸収を与える
- 成層圏ヘイズ、対流雲はわかっているのとして, 観測スペクトルと合わない部分は対流圏ヘイズ, ラマン散乱によるとする
- 成層圏ヘイズ
- Zhang 2013 での制約をそのまま用いる
- 全球平均をどう与えるかという問題がある
- 対流圏ヘイズ
- Sromovsky 1998 を参照しつつ灰色吸収体として導入
- 対流雲
- 杉山モデル + SSA 調整(雲汚染)
- 雲とヘイズの区別をどう定義するかという問題がある
- ラマン散乱
- 木星の可視スペクトルにおける定量的制約の先行研究はないため UV からの外挿
- 成層圏ヘイズ
- 成層圏・対流圏の日射加熱・熱放射冷却バランスを示す
- 可視スペクトルによる日射吸収物質の評価
- mtg 資料
3 月以降のミーティング日程について
- これまでどおり, 週 1 開催する.
- 大西は, 予定がわかったら日程調整し, ミーティングに参加する.
次回の日程
- 2017/02/22 (水) 15:00-