多次元に拡張した場合に(10) (12)式をそ
のまま応用すると clipping とは別の問題が発生する. ここでは 2次元の
場合についてその問題を考えることにする.
今1ステップの輸送過程の計算が終了してFig.6のような分布
が得られたとする. このとき
に働く
antidiffusionフラックスの向きは通常は図の矢印の向きになる.
方向
のantidiffusion フラックスは極値を強める方向に働くので, 補正フラッ
クスは 0 になる. しかし
方向のフラックスには制限がつかないので
補正の結果
での値は増加することになる.
よって
方向の断面で見るとピークが成長していることになってしま
う. これは FCT の基本思想と反する結果であるので, 多次元に拡張する
際には何らかの改良を加えなければならないことになる.