句読法については、以下の文献を参考にしている。これら以外で参考にしたものはその都度、記述する。
ピリオド (.) は分離の記号。その主な機能は「独立した考えを分離する」こと。
ピリオドは分が主語と述部で完全に完了した後でのみ、使われる。 見出しや箇条書きの項目などで完全な独立文でないものにはつけない。 (箇条書きでも独立文になってる場合はつける。)
ピリオドの後にはスペースを1つ入れる。(かつてはピリオドの後はスペース2つ入れていたが、最近のワープロソフトは自動で調節してくれる) ただし、頭字語やラテン語由来の略語の間につくピリオドのあとにはスペースをいれない。例:U.S.A., i.e.
LaTEXだと小文字の後ろについたピリオドのあとのスペースは、広めにスペースになり、 大文字の後ろについたピリオドのあとのスペースは通常のワード間の広さのスペースになる。 よって、et al. のあとのスペースは広くとられてしまうので、et al.~ として 字間を調節する。同様に文末が大文字の場合は、...is called NASA\null. とする。
コンマ (,) の機能は文の要素を「分離すること」と「囲い込むこと」である。 技術英語では不必要にコンマを付けすぎないように注意したい。
コンマの後にはスペースをひとつ入れる。
囲い込む対象の前後に付ける。ただし、後ろのコンマは場合によってはピリオドやコロン、セミコロンなどになる。
コロン (:) の機能は「リスト、節、引用文」を分離または導入することである。 コロンのあとに再びコロンを使用することや大文字を使用することは望ましくない。
コロンの前にはスペースを入れず、後にはスペースをひとつ入れる。 表中にコロンを用いる場合も、コロンの前に空白を作ってはならない。
後述の慣用的な用法を除き、コロンは完全な独立文の後のみで使われる。 とくに動詞または前置詞とその直接目的語の間では使ってはならない。
コロンは such as, that is, for example のような慣用的挿入句の後では使用しない。 なぜなら、コロン自体がこれらの慣用的挿入句と同じ役割を有しているから。
誤用例:Microwave instruments are used for remote sensing of environmental variables such as: sea ice, soil moisture, and surface wind speed.
修正例:Microwave instruments are used for remote sensing of environmental variables, such as sea ice, soil moisture, and surface wind speed.
修正例:Microwave instruments are used for remote sensing of environmental variables: sea ice, soil moisture, and surface wind speed.
コロンは丸括弧の後、引用符の後にうつ。 “ theory”: (monkey):
セミコロン (;) はコロンよりも弱い結合(強い分離)を表す。
1つの文にすると長すぎ、2つの文にするには内容が密接な場合に用いる。
セミコロンは丸括弧の後、引用符の後にうつ。
引用符 (“ ”と ‘ ’) は「別の情報源や直接話法から引用された語」や「まわりの文と区別する必要のある語」を囲い込む。 ただし、過度に多用されると、見づらくなる。
通常、二重引用符 (“ ”) を用い、単一引用符 (‘ ’) は二重引用符のなかでのみ用いる。 なお、LaTeX では前側の引用符 (“) は`` (シフト+@キー)で、後ろ側の引用符は (”) '' (シフト+7キー)である。
文意を明確にするため、本文から区別する必要のある語句を引用符で囲い込む。 これはイタリック体でも代用できる。
丸括弧 ( ) は非制限的要素あるいは挿入要素を囲い込むためにつかわれる。
左括弧 ( の前にはスペースを入れる。閉じ括弧の後ろにはピリオドやコンマが後ろにある場合を除いて、スペースを入れる。
丸括弧のフォントスタイルは括弧内ではなく、括弧の外のスタイルと合わせる: the pressure (p)
ハイフン (-) は語をつなぐ機能がある。ただし、恒久的な複合語は1語になる傾向がある。
なお、ハイフンの前後にスペースは入れない。
行末の単語が途中で切れる場合にハイフンでつなぐ。ただし語は音節間でのみ分けることができるので、勝手に切ってはいけない。 LaTeXだと自動でやってくれる。 分綴に関しては他にも細かな規則があるが、LaTeXは全部自動でやってくれるので、ここには記さない。
常用複合語のハイフンの有無は辞書で確認しなければならない。
ダッシュには印刷上 emダッシュ(—)とenダッシュ(–)の2種類がある。emダッシュは文字 M と同じ幅を有し、enダッシュは文字 n と同じ幅を有する。 単にダッシュと言った場合はemダッシュをさす。
ワープロソフトではemダッシュは連続した2つのハイフンで表現され、enダッシュは1つのハイフン(つまり上述のハイフンと同じ)で表される。 LaTeXではemダッシュは連続した3つのハイフン---で、enダッシュが連続した2つのハイフンで--で入力できる。
ダッシュの前後にスペースは入らない。
ダッシュは文の要素を囲い込むあるいは分離するために使われる。 ダッシュはたまに使えば、効果的だが、多用すると文の明確さを失ってしまう。
囲い込みのコンマと同じ用法で使用することができる。コンマが多用されて読みにくくなる場合に使う。
囲い込みのコンマ、ダッシュ、丸括弧は違いは
文の後で for example, that is, namelyなどで説明や要約等を続ける場合、[〜, that is, ...] < [〜; that is, ...] < [〜—that is, ...] の順で強調の度合いが強くなる。
enダッシュは慣用的用法で用いられる。
enダッシュはマイナス記号と同じものである。 ただし LaTeXでは Mathモード内では - でマイナスが出力される。すなわち、Mathモード以外でマイナス記号を出力するときは -- と入力する。
スラッシュ (/) は分数, 毎を表す以外には and/or のようにスラッシュの使用が標準となっている場合のほかは使用しないほうがよい。 これはスラッシュの意味が厳密に定義されてないからである。
スラッシュの前後にスペースは入れない。
イタリック体 (italics) には強調する要素を文章から区別するために用いられる。
多くの場合はイタリックにして強調するよりも、構文で強調した方がよい。 また、文全体をイタリックにすることは避けるべきである。
主題であるキーワードや専門用語を定義するのに最初に使用するときには、イタリック体がよく使用される。
その語の意味を表すのでなく、その語自体をあらわすときにイタリックが使用される。
省略。
句読点はそれが属する要素の書体にあわせる。
これらの句読点はローマン体
For light amusement he turns to the Principia Mathematica!
How can they be sure that the temperature was in fact rising?
The letters a, b, and c are often invoked as being fundamental.
I had yet to consider the central thesis of Malthus’s Essay: the imperfectibility of humankind.
これらの句読点はイタリック体
The Beatles’ Help! was released long before the heyday of the music video.
I love Eats, Shoots & Leaves, but I would have preferred to see “and” in the title rather than the ampersand—which would allow for a serial comma after “Shoots.”
日本語横書きの文書での句読点は
の3つの様式が存在する。
上のように書くと、1. の文科省基準が「正式」のような感じを受けるが、実際には政府刊行物でも 基準 3. で 書かれているものがあり、統一されてない。
これらの使われ方に関して調査・考察した 九州大学大型計算機センター・研究開発部の渡部 善隆氏の “横書き句読点の謎” が面白い。
普段、最も目にするのは 基準 3. じゃないかと思う。おそらく、 日本語入力システムのデフォルトが、「てん」と「まる」になってるからじゃなかろうか。
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